慰謝料の基準について
Q.よく「慰謝料には基準がある」とききますが、どういうことなのか教えて下さい。
A.交通事故によってケガを負ったときに、加害者側の保険会社と損害賠償額の交渉を行う際に、慰謝料の金額がよく問題となります。 治療費や通院交通費、休業損害といった損害と異なり、慰謝料は「精神的苦痛」という、いわば形にないものを金額として評価しようとするため、その金額が争いになりやすいのです。
慰謝料に存在する3つの基準
交通事故の慰謝料とは、交通事故によって蒙った精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。
一般的には、慰謝料を算定する基準には、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準という三つの基準があり、「自賠責基準が一番低く、裁判基準が一番高い」と説明されています。
たしかに、このように「自賠責基準<任意保険基準<裁判基準」となることが多いのは事実です。たとえば車に乗っていて追突事故に遭い、首を痛めたため5か月通院治療し、治療日数が合計45日だったというケースで計算してみると、自賠責基準では約38万円、任意保険基準では約50万円、裁判基準では約80万円となります。 たしかに「自賠責基準<任意保険基準<裁判基準」となっています。
自賠責基準<任意保険基準<裁判基準とならない場合も
しかし、事故のケースによってはこれが成り立たない場合もあります。
たとえば、「車に乗っていて、信号のない交差点に差し掛かったところ、出会いがしらに左から走行してきた車とぶつかってしまい左腕を打撲した」というケースでは、同じく5か月通院治療し、治療日数が合計45日だった場合でも、慰謝料は任意保険基準では20万円、裁判基準でも30万円程度となってしまいます。これは、過失相殺という考えによって慰謝料が減額されてしまうからです。
一方で、自賠責基準では過失は考慮されず慰謝料は38万円程度と、もっとも高額になります。 このように、場合よっては自賠責基準による慰謝料額が一番高額ということあるのです。 これは、自賠責基準においては「過失割合が70%未満の場合には、たとえ自分に過失があっても過失相殺はされない」という特徴があるからです。
慰謝料のことは弁護士にご相談を
その他にも、自分に全く過失がない場合でも、裁判基準よりも自賠責基準の方が、慰謝料が高額となるというケースがあります。 基準があるのであれば「どの弁護士に頼んでも結論は同じ」と考えがちですが、慰謝料の考え方は様々であり、交渉の方法も様々です。 慰謝料の金額に納得いかない場合には、ぜひ当事務所にご相談下さい。
交通事故問題の解決事例集
-
むちうち
-
死亡事故
-
物損
-
耳
-
肩
-
脳
-
腰
-
膝
-
頭部
-
高次脳機能障害