後遺障害の損害賠償

弁護士 水口 かれん
 交通事故被害にあった場合の損害賠償金額は、後遺障害の等級によって、大きく変わります。

 下の表は、後遺障害の等級と、自賠責保険の金額及び労働能力喪失率まとめたものです。

 

後遺障害等級表と自賠責保険(共済)金額及び労働能力喪失率

等級 自賠責保険 (共済)金額 労働能力喪失率
第1級 3,000~4,000万円 100%
第2級 2,590~3,000万円 100%
第3級 2,219万円 100%
第4級 1,889万円 92%
第5級 1,574万円 79%
第6級 1,296万円 67%
第7級 1,051万円 56%
第8級 819万円 45%
第9級 616万円 35%
第10級 461万円 27%
第11級 331万円 20%
第12級 224万円 14%
第13級 139万円 9%
第14級 75万円 5%

 この表は、後遺障害等級と自賠責保険(共済)からもらえる賠償金の金額、労働能力喪失率の関係です。

 労働能力喪失率とは、交通事故による後遺障害によって、以前はできていた仕事がどれぐらいできなくなったかを表す割合のことです。 後遺障害等級が高い場合は、労働能力喪失率が高くなり、自賠責保険から支払われる賠償額が高くなります。

 このように、等級認定によって、大きく金額が異なりますから、等級認定の重要性はおわかりいただけるものと思います。
 そのため、等級認定を受ける前、事故直後の早い段階から、専門家に相談し、適切な認定を受けるために、準備することが極めて大切です。

 なお、弁護士が交渉する場合は、実際には、自賠責保険の基準額ではなく、裁判所の基準を用いて計算します。自賠責保険の基準額より裁判所の基準の方が高いので、請求する金額は上がります。

後遺障害による損害

後遺障害による損害には、主に逸失利益と後遺障害に対する慰謝料があります。

①逸失利益

 逸失利益とは、後遺障害を負ったことによって事故前と同じようには働けなくなった結果、得ることができなくなった将来の収入のことをいいます。

 逸失利益は、事故前年の年収に、労働能力喪失率と、ライプニッツ係数といって、労働能力喪失期間に対応する係数を乗じて計算します。労働能力喪失期間は症状固定日の年齢から67歳までの年数とするのが通常です

 保険会社は労働能力喪失期間を短くすることで支払う賠償金額を少なくしようという傾向がありますので、十分に注意をすることが必要です。

②後遺障害に対する慰謝料

 後遺障害による精神的苦痛に対する慰謝料で、後遺障害の等級や年齢、性別、職業などによって算出されます。

 後遺障害に対する慰謝料についても、裁判所の基準が一番高額です。保険会社は裁判所の基準と比べて低額になる自賠責の基準や保険会社独自の基準を用いて、慰謝料の金額を算出してくることが通常ですから、簡単に応じるのではなく、まずは専門家に相談することをおすすめします。


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