交通事故による後遺症の損害賠償~主婦の場合~
Q.私は交通事故で怪我をし、通院していましたが、これ以上は治らないと医者に言われ、後遺症は14級と認定されました。私は主婦ですが、後遺症についてはどのような損害賠償請求ができますか。
A.この場合に損害賠償請求できる項目は、後遺症慰謝料と逸失利益の2種類あります。
後遺症慰謝料とは
交通事故による損害賠償の内訳の1つは後遺症慰謝料です。
後遺症慰謝料とは、交通事故で後遺症が残ったことによる精神的苦痛に対する賠償です。
治療中に生じる精神的苦痛に対しても賠償請求できますが(傷害慰謝料)、これとは別に後遺症についても請求することができます。
金額は、後遺症の等級(1級から14級)により異なり、裁判基準(弁護士会と裁判所が協議して作成した基準)では、14級の場合110万円です。
逸失利益とは
もう1つは逸失利益(いっしつりえき)です。
逸失利益とは、交通事故の後遺症によって労働能力が低下して事故前より収入が減る場合、その将来の減収分を請求するものです。
例えば、コンピュータプログラミングの仕事としていた場合に、交通事故で手指の機能を失ってしまったら、仕事能力が著しく落ちます。場合によっては、プログラミングの仕事は続けられなくなり退職することもあるかもしれません。
その場合は、交通事故に遭わなければ得られたであろう利益を、逸失利益として損害賠償請求ができます。
損害賠償請求の詳細は、「交通事故で退職した場合の休業損害」をご覧ください。
主婦(専業主婦・兼業主婦)にも認められる休業損害
専業主婦の場合、収入がないから逸失利益はゼロと考えるのは誤りです。
家事労働を金銭的に評価し、相当額の逸失利益を認めます。その評価は、全国女子労働者の平均賃金と同額として算出することが多いです。
なお、専業主婦や兼業主婦であっても、休業損害が認められます。
主婦の休業損害とは、交通事故によって育児や家事全般などの主婦業ができなかった日数に応じて賠償してもらうことができる損害です。専業主婦の休業損害についてはこちらをご覧ください。
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